人生初めてのトレンチコート

私がバーバリーのトレンチコートを両親に買ってもらったのは、ニューヨークの大学を卒業したとき。
私の卒業式のために両親が日本からニューヨークにやって来て、
そのまま私が休みに入ったので、一緒にヨーロッパに行くことにしました。
行き先は、以前も行ったことのあるロンドンです。

ロンドンではバーバリー本店に行き、父と母はお揃いのステンカラーのコートを買うことになりました。
私は、以前買ってもらったダッフルコートがとても気に入っており、
バーバリーの質の良さを実感していたので、
コートを買うならバーバリーがいい！と思っており、
今度はちょっと大人っぽいトレンチコートに挑戦することにしました。
店員さんが、私のサイズにあったコートを持って来てくれました。
トレンチコートを着るなら、基本に忠実に出来ている本格的なものがいいと思っていたので、
その点バーバリーはピッタリだったのです。

大学も卒業したので、そのお祝いの意味も含めて、両親が買ってくれました。
定番的なベージュに裏にバーバリーチェックが入っているもので、冬にも着れるようになっていました。
学生の間はフラットの靴を履いていましたが、卒業したらヒールのある靴を履こうと思っていたので、
トレンチコートも良さそうだなと思いました。

買ってもらったそのトレンチコートを早くくたっとした着慣れた感じにしたくて、買ったその日から着ることにしました。
長年着ていて、ちょっとくたった感じの方が、味があっていいと思っていたからです。
一日でも早く着慣れた感じになるようにと、がんばって使うことに．．．
使い始めのコートはちょっとキチンとしていて、硬さがあったので、少々雑に扱うようにしました。
わざとそうすることで、できるだけ着慣れた感じにしたかったのです。

バーバリーのトレンチコートは本格的で、どこに着て行っても恥ずかしくないものでした。
それだからこそ、着慣れた感じにしたくてたまらず、部屋の中で着たりもしていました。（笑）

バーバリーのトレンチコートが体にフィットするまでに２〜３年かかったと思います。
今では、質のいい革のバッグの傍らに置いて置くと、とてもサマになるのです。
私の特別なコートはバーバリーのトレンチコートです。

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