父はスーツ、私はトレンチで



父はスーツ、私はトレンチで
burberry 私は今年40歳。
バーバリーはチェック柄のマフラーを1本持ているだけです。
父は70歳で、大のバーバリーファン。
父の箪笥にはずらりとバーバリーが並んでいます。
私はなんとなくこどものころからそれを見ているので、
バーバリーは自分とは関係ない大人のファッションと思っていました。

けれど私もこの年になって、父の趣味に近づいてきた自分を感じています。
バーバリーいいなあ、と思うのです。

父はよく「おれの箪笥のものはお前たちに全部やるんだから、二人で相談して分けろ」と言っています。
私は2人兄弟で、弟がいます。

父のバーバリー。一つはスーツ。
何着かありますが、私が目をつけているのはダークグレイの無地で、
ちょっと見には黒に見えますが、よく見ると味わいのあるグレイ。
それも底光りするような光沢があるのです。
襟がすっきりしたデザインで、それが父の気に入っているところでもあります。
趣味のいいスーツだと思います。
私もやっと、なるほどと感じられるようになりました。
生地や仕立てのいいのはすぐにわかりますが、クラシックというのでしょうか、
今風のものにはない厚手な感じ、ただ高級というのではないずしりと質感のある歴史の味みたいなものを、確かに感じるのです。

父はこのスーツをめったに着ません。
ここぞという時にだけ着る、いわば「勝負服」です。
なので状態も悪くなっていません。
これは自分でもらおうと狙っています。

問題はコートです。
トレンチのベージュ。
トレンチというスタイルは私にはあまりぴんときませんが、きらいではありません。
最近の「カタログファッション」と一線を画していて、
なにか堂々とした自己主張のあるスタイルのデザインで悪くはない、一度着てみようかとは思っています。

ただ、色がどうにも気に入らない。
というのは、父のスーツは先ほどいったように、黒に近いダークグレイなのに、コートは明るいベージュなのです。
これが気に入らないのです。

黒とベージュは合わない色だと私は思っています。
もちろんそれは趣味の問題でしょうが、どうしてもばらばらな印象を受けてしまいます。
私がそのスーツに合わせるとしたら、コートはモスグリーンがベスト。
調べてみました。そうしたらバーバリー商品に、モスグリーンか、それに近い色のコートがありました。
私は「これだ!」と思いました。

決まりです。このコートを私は買います。
ハーフ丈というところもいい。
その方が、守備範囲が広く、なんにでも合わせやすいと思います。
せっかくなのでネクタイも新調しましょう。
シャツは白ということにして、スーツはダークグレイ、コートはモスグリーン。
ならばネクタイはキャメル!もしくはモカブラウン。
なんだか楽しくなってきました。

考えるほどに、あの父のベージュのコートはノーサンキューになってきます。
コートがモスグリーン、もしくはグレイ系でなければ、私のコーディネイトは成立しないのですから。

靴はやっぱり茶系でしょう。
黒に逃げたくはありません。黒なら無難ですが、ここは茶系で決めたい。
ネクタイに色を合わせます。キャメルの革靴。あるいはショートブーツ。
想像のコーディネイトは本当に楽しい。

ああ、早くあのバーバリーのスーツがほしい、
・・・・・・とは、孝行息子が口にしていいことではありませんね。
できるだけ遠い将来、父のバーバリーのスーツと、自分で考えたコート、ネクタイ、靴を合わせて着てみたいと、孝行息子は考えています。

〜〜 COLUMN 〜〜

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